2012-09-26

椅子の座面を削る


五感を研ぎ澄ます。

鉋の刃が木に(すっ)と入る。
その感覚をキープするよう少しずつ鉋の角度と力の加減を変える。

指先の感覚だけが頼りだ。

最初はゆっくりと、そしてボールが転がり始めるようにだんだんとリズミカルに。

工房に木を削る音だけが響く。

そして艶やかで美しい木目と顔を合わせる。

「木と語る」というのは比喩的な表現だと思っていたけれど
たしかにこの瞬間は木と対話をしている気がします。